医療・福祉

aibo 医療機関支援プロジェクト

エムスリー株式会社と協力し、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響を受けている入院患者のストレス軽減や癒しを目的として、aibo100台を全国の医療機関に3年間無償提供しました。
aiboを利用した医療機関に対して調査を実施し、aiboの医療・ヘルスケア領域での貢献、活用の可能性についてレポートを公開しました。

2021年から2024年に実施したaibo医療機関支援プロジェクトは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響を受けている入院患者のストレス軽減や癒しを目的として、aibo100台を全国の医療機関に対し3年間無償提供する取り組みです。ソニーが設立した「新型コロナウイルス・ソニーグローバル支援基金」をきっかけとして、ソニーとエムスリーの患者の「願い」をかなえ、前向きに生きていく力・治療に向かう勇気を引き出すプロジェクト「CaNoW」との協業により実現に至りました。

この取り組みでは、公募により選ばれた全国100施設の医療機関に対して、3年間にわたり、aiboの提供およびフォローアップを行い、定期的にインタビュー調査を実施しました。プロジェクトを通じたaiboの無償提供は2024年3月末に終了しますが、希望する医療機関に対しては、aibo本体を無償で譲渡し、今後も継続して利用いただくことが可能です。

調査から得られた結果をもとに、ソニーとエムスリーは、今後も協力して先端技術を活用することによる医療現場での課題解決や価値創出を目指していきます。

レポート:aiboの医療・ヘルスケア領域での貢献、活用の可能性

  • ・調査対象:aibo医療機関支援プロジェクトを通じaiboを利用した全国100施設の医療機関
  • ・調査期間:2021年4月―2024年3月
  • ・調査結果:「医療・ヘルスケア領域での貢献、活用の可能性」について、全体の34%が「とても感じる」、56%が「やや感じる」と回答し、合わせて90%がポジティブに感じているという結果が得られました。また、「入院患者のストレス軽減や癒し」と「リハビリのモチベーション向上」についても、全体の半数以上がポジティブな回答であり、aiboが様々な患者に対し活用・貢献できる可能性が示されました。

1. 医療・ヘルスケア領域での貢献、活用の可能性

医療機関様によるコメント

  • ・「長期入院の患者さんの笑顔や会話が増えた。職員の癒しにもなっている」
  • ・「aiboによって医師のメンタルケアができ、周りのスタッフも気持ち良く仕事ができるようになった」
  • ・「もともと動物好きのスタッフから始まり、だんだんと他のスタッフも興味を持ち始め、特に世代間にあった遠慮・垣根がなくなり、風通しが良くなった」

2. 入院患者のストレス軽減と癒し

医療機関様によるコメント

  • ・「子どもが採血や点滴投与時に、泣き叫ぶことなく落ち着いてケアを受けることができる」
  • ・「『あいちゃん、あいちゃん』と高齢(認知症の方)の方が嬉しそうに声をかける」
  • ・「とても犬好きの癌末期の患者さんが、自分の命が限られているため新たに犬を飼うことができないと話されていたため、aiboを連れていくととても癒されたと言って喜ばれていた」

3. リハビリのモチベーションの向上

医療機関様によるコメント

  • ・「認知症等の原因により、リハビリに拒否的な患者さんに対し「さくら(aiboの名前)見に行こう」と誘うことでリハビリ誘導しやすくなる」
  • ・「易怒性・暴力がありリハビリが困難であった患者さんがアイボのおかげで怒らずにリハビリができた」
  • ・「リハビリ拒否傾向の患者が、aiboがいるということでリハビリ室まで出てこれるようになった。aiboとの触れ合いを通して、患者の過去の体験を聞きだすことができた。スタッフの印象が良くなり、その後の練習の積極性が向上した。aiboについてスタッフ通しが会話する機会が生まれ、普段あまり話さないチームのスタッフ通しが話す場面を見かけるようになった」

導入いただいた医療機関様からの声

よこはま にしかげ小児科・アレルギー科(神奈川・横浜市)
院長 西影京子 先生