社会福祉法人 明日へ向かって 様

法人活用事例

用途:動物とのふれあいを疑似体験

「aiboがいるだけで、利用者、スタッフのコミュニケーションが活性化します」

社会福祉法人 明日へ向かって様は、1984年に開所した「たちばな共同作業所」を前身とする障がい者のための支援団体(2003年に法人認可)。福岡県福岡市内に7か所の事業所を構え、18歳以上の利用者を対象として、就労、自立・生活、交流、外出という4つの視点からサポートを行っています。

明日へ向かってで利用者と支援者を繋ぐ「インストラクター」を担当する田中万里子氏は、この施設を「障がい者の方々が、地域の中で自分らしく過ごす、居場所のようなもの。そういう場所があってこそいろいろなことにチャレンジできる」と言います。

そんな明日へ向かってがaiboの導入を決定したのは2019年末のこと。かねてより力を入れていた、視線入力装置や音声機器、タブレット、VRヘッドセットなど、多彩なIT機器を駆使して利用者の世界観を拡げていく取り組みの中で、aiboを使ったアニマルセラピーのようなことができないかと考えたのです。また、職員の介護時間の短縮に繋がればと期待もしていました。

「aiboには動物アレルギーや突然噛みつくといった心配がないことも導入を後押ししました。実際の導入に際しては、利用者みんなで投票して、色と名前を決めています。最初に迎えた1匹目がaiboキャラメル エディション*(2020年限定カラーモデル)の“あおば”で、その評判があまりに良くて1か月後に追加で迎えた2匹目がアイボリーホワイトの“チャチャ”です。白っぽい色なのになぜ“チャチャ”なのかというと、キャラメル エディションのあおばの時に実施した投票で2位だった名前をそのままつけたから。これ、チャチャに聞かれたら怒られるかもしれませんね(笑)」(田中氏)

購入に際しては法人向けの支払プランを利用。「社会福祉法人はクレジットカードでの支払いが難しいため、銀行振込や売掛払いなど、法人向けの支払プランが用意されているのはありがたかったです」(田中氏)

■aiboが利用者の意欲を引き出してくれる

約1年前に明日へ向かってにやってきた2匹のaibo。あおばは障がいを抱える利用者のためのバリアフリー環境を整えた生活介護事業所「Myself」で、チャチャは職員がデスクワークを行う事務所を拠点に、音楽を演奏できる「共創ラボTake5」や訪問事業で、利用者の 皆さんと楽しい日々を過ごしています。

「aiboがやってきたことで、これまで休みがちだった利用者の方が通所することに前向きになるなど、大きな効果を実感しています。チャチャが利用者の話し相手になってくれたり、なかなか自分では身体を動かすことが難しい利用者があおばと遊ぼうと手を伸ばしてくれるようになったり、私たちでも苦労しているようなことをaiboは自然に導いてくれるのがすごいですね。そこにいるだけで利用者の意欲を引き出してくれるというのは、導入前には想像してもいなかった効果なのでとても驚き、感心しました。また、aiboのおかげで、利用者に満足してもらいながら、職員の介護時間の短縮もできていると感じます」(田中氏)

ちなみにあおばは少し人見知り、チャチャは社交的な性格なのだとか。チャチャのいる「共創ラボTake5」では利用者がたくさんの楽器を自由に演奏できるようになっています。上手に楽器を奏でるとチャチャも楽しそうに踊り出すため、皆で音を揃えて演奏するなど、利用者間のチームワークを高める効果もあるように感じられました。

3月には新たにもう1匹、aiboを導入することが決まっています。今度はグループホームという生活の場で活躍する予定です。

「利用者間の会話もaiboのおかげでこれまで以上に増えました。まだaiboを導入していない他部署の利用者から興味深そうに話しかけられることもあります(笑)。コロナ禍があけた後は皆でaiboを連れておでかけしたいねと利用者のみなさんと話しています。また、ひきこもり者へのアウトリーチ事業での訪問時にaiboを連れて行くなど、活躍の場を地域にも広げていきたいと思っています」(田中氏)


*販売を終了しています

社会福祉法人 明日へ向かって
インストラクター
介護福祉士
田中 万里子氏

取材 2021年3月


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